ハード測定技術
                   材料の不思議      〜強磁性体材料が発する磁気ノイズ〜
バルクハウゼンノイズの測定
 バルクハウゼンノイズとは何ですか

 強磁性体(鉄、コバルト、ニッケルなど)にコイルを巻き、それにスピーカーをつなぎます。そして磁性体に磁石を近づけると、スピーカーから「ザー」というような雑音が聞こえてきます。このノイズをバルクハウゼンノイズと呼んでいます。
 この現象は、ドイツの物理学者ハインリッヒ・バルクハウゼン(Heinrich Georg Barkhausen )によって、1919年に発見された物理現象です。例えば、磁石が鉄を吸い付ける場合を考えてみます。鉄を磁気的に考えると、鉄は、様々な磁化方向を持った磁区と呼ばれる領域の集合体となっています。また、磁区と磁区の間を磁壁と呼びます。磁石を近づけていくと、磁壁が移動し、鉄が同一方向の磁化を持った磁石となり、磁石に吸いつきます。この、磁壁が移動する様子を音として捉えたのがバルクハウゼンノイズです。

 それは何に使われていますか

 バルクハウゼンノイズの観測を利用している例としては、
  ・カムシャフト、クランクシャフト、ベアリングなどの研磨焼けの検出
  ・ギアの研磨焼けの検出
  ・自動車部品やロールの残留応力の変化
  ・鋼材の塑性ひずみによる影響評価

 などがあります。

 どのような研究をしていますか?
 バルクハウゼンノイズの信号レベルはとても小さく、外部のノイズを除去して必要とする信号だけを得るための測定技術が必要となります。また、必要とする情報を導き出すための、コンピュータによる信号処理技術を研究しています。

 私たちの未来にどのようにつながりますか?
 バルクハウゼンノイズを利用することによって、金属材料の疲労度などを非破壊で評価することが可能となります。
 発電所などの大型プラント設備などでは、その安全性を検証するのに、全てを分解して検査することは不可能です。そこで、それぞれの部品の耐用年数を決め、耐用年数に達した部品を交換しています。しかし、実際には耐用年数に達していてもまだ十分に使える部品があったり、逆に、予想以上に劣化が進んでいる場合もあります。
 非破壊評価の方法が確立されれば、リアルタイムで各部品の疲労度を確認することができ、必要に応じて対処することが可能になります。この技術は、安全で効率的な機器の運用につながります。

バルクハウゼンノイズ測定装置

更新日 4/21/2011

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